はじめに
青年会議所には人生を変える出会いがあります。
私は、立川青年会議所に入会してから、様々な役職、委員会を経て多くの経験を積ませていただきました。入会直後の頃の私は、仕事に出掛け、家庭に戻る日々を繰り返していました。それはそれで、どこか物足りなさを感じつつも「自分の人生なんてこんなもんだ」と現状に満足しておりました。そのため積極的に青年会議所に関わることはなく、最低限の付き合いを保っていました。
しかし、ただ参加しただけ、ちょっとした手伝いをしただけなのにメンバーから感謝されることを繰り返すことで、「自分が誰かの役に立っている」「この団体に自分の居場所がある」と徐々に実感が湧いてきました。時を経る毎にメンバーの熱量や姿勢に魅せられ、それまで参加を断っていた担当外の事業や懇親会などにも可能な限り積極的に参加するようになりました。会社員という立場故に、もっと関わりたくてもどうしても行動に制限がかかってしまうので、自分で時間を作って青年会議所運動をしているメンバーを羨むくらい魅力的に思うようになっていました。私が初めて理事を任命された年に、家庭、仕事共に大きな変化があり、あらゆることに向き合えなくなっていたときには、毎日のように代わる代わる心配をして声をかけてくれたメンバーがいてくれたおかげで、徐々に前向きになることができ、ここまで続けてくることができました。
初めて委員会を任されたときには、これまで一緒に汗をかいてきた多くのメンバーに支えてもらい、当初想定していた以上の成果を得ることができました。自分が苦手としていたことに対して、克服するために挑戦するきっかけをくれたメンバーがいてくれたことで、次第に自身の仕事に対する姿勢にも変化が現れ、意欲的に行動することができるようになり、確かな成果をあげられることに繋がりました。本当に以前の私からは想像すらできない、かけがえのない経験、多くの人脈、物事の捉え方や俯瞰的な視野を得ることができました。
このように青年会議所には人をポジティブに変革する機会が数多くあります。同僚や社員、友人、家族など「人」のためならば120%の力を発揮できる人が集まる団体、そのストレートな熱量、一生懸命な姿勢に人は感化され、行動を起こすことで地域を変えていく。自分自身だけでなく、周りの人間にも変化を起こす、人生を変える、すなわち成長をしていくこと、これが多種多様な職業のメンバーが集まり切磋琢磨しながら今日まで続いてきた青年会議所の最大の魅力です。
子供たちの健やかな成長のために
現在、子供たちを取り巻く環境も大きく変化してきています。スマートフォンの普及により、必要な情報をすぐに手に入れることができ、コミュニケーションの方法もICTの発達により、時間を有効に使える環境になったことで、多くの人と繋がることも容易になり疑似的・間接的な体験も増加しました。しかし便利になった反面、手軽かつ自由に遊べる場所の減少、SNSやゲームなどの室内遊び時間の増加、学校外での学習活動の増加により外遊びやスポーツ活動時間の減少したことから子供たちの体力・運動能力低下が政府の統計より窺い知れます。加えて現在のコロナ禍において休校や外出自粛により子供たちの成育環境にさらに多大な影響を与えているとされています。私の少年時代では当たり前のようにできていた公園でのサッカーなど、体を動かして遊ぶことすら制限されてしまっている現状に対して、子供たちの運動不足や体力のさらなる低下による心身の不調が懸念されます。未来の担い手である子供たちにはよく体を動かす習慣付けやそれを支える体づくりが必要であると考えます。全力で体を動かす喜びや体づくりを通じて生まれるコミュニケーションを体験してもらうことで子供たちの「心身の発達」や「積極性」を育むことを実践していきます。児童期での体験は、将来にわたり影響を与えるとされています。能動的な市民を一人でも多く増やし持続可能な社会の実現のためにも、児童期での良好な原体験を大人になったときに自身の子供や地域社会に還元していける健全な青少年の育成は必要不可欠と考えます。
来るべき交流への備え
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により訪日外国人旅行者数が8割以上激減し、依然として対面での外国人との交流は困難な状況にあります。インターネット上での交流は図ることはできますが、対面での交流は難しいこのような状況下にあるからこそ、交流を再びできるそのときまでにコミュニケーションの本質である「相手に対する思いやり」を持った、グローバルリテラシーを養い、国際的な視点や感覚を身に付けることが必要であると考えます。
青年会議所は118の国と地域に存在し約15万人の会員が在籍しております。毎年、開催地を変えながら世界中からメンバーが集い、世界をより良くするべく、様々なフォーラムやセミナー等を通して参加者一人ひとりの意識変革と成長を促し、友好の輪を広げる機会があります。その一つである、アジア・太平洋地域会議(ASPAC)が2022年度は日本で開催されます。これを主な国際交流の好機と捉え、姉妹締結を結んでいる韓国の温陽青年会議所、モンゴルのJCIキャピタルとの交流を図り、今後の友好関係がさらなる発展に繋げます。
また、日本の青年会議所は、全国691箇所に存在し約24,000人在籍しており、年に3回、日本全国の会員が一堂に会する機会が存在しております。その機会では「これだけの人数が集まれば何だって出来る、世の中にだって大きな影響を与えることが出来る」と思わせられる、地域を巻き込んだ圧巻のスケールメリットをより多くのメンバーに感じてもらうべく機会を提供し、そこで得られた学びをこの地域にフィードバックしてまいります。