理事長 メッセージ

公益社団法人立川青年会議所2020 年度 理事長所信

はじめに

 立川青年会議所は全国で300番目、東京都内では2番目に設立され、55年もの長きに亘る歴史がある組織です。そして、多くの先輩方が今まで途切れることなく強い志をもとに行動をしてきたお陰様で、地域における信頼も強固なものとなりつつあります。それは、立川青年会議所の偉大な財産と言えます。だからこそ、私たちもその先輩たちに倣い途切れることなく熱い志をもって、常に前進していかなければなりません。

 青年会議所運動は「修練」「奉仕」「友情」の三原則のもとに展開しています。メンバー一人ひとりが地域のため、未来を思い、自身を研鑽し修練を積んで行動することで、より良い社会へと繋がります。そして、その運動の過程でメンバー間においてはもちろん多くの人々との友情も育まれます。とはいえ、そうした運動を実践していくことは、決して簡単なものではありません。しかし、そうした困難を乗り越える道は必ず用意されるものです。

 私はこれまで6年間、立川青年会議所を軸に、この運動を行ってきました。その間、幾つもの失敗を経験してきました。自分本位で委員会を運営した結果、メンバーに集まってもらえなくなったことや、忙しさを言い訳に至らぬ事業計画を出した結果、運動の目的が達成されなかったこともあります。
 しかし、その6年間で失敗をしたときにこそ立ち止まるのではなく、どうすれば事態を好転させることができるのかを常に考え、次に取るべき行動が大切であると学ばせていただきました。失敗に対する後悔の気持ちを、前向きな気持ちに変え、一つひとつの場面において真剣に向き合うことが大切なのです。
 失敗は成長の糧です。失敗を怖れずに様々な課題に挑戦することが、自身の成長と地域の未来に繋がるのです。

子供たちのための新たなチャレンジ

 これまで、青少年育成事業として、子供たちの自己肯定感と地域愛を育むことを目的としてきました。今年度は、これらに加えて「思いやり」に着目します。子供たちが他者へ思いを寄せられるような豊かな心を育成する事業を展開していきます。

 現代の人々の出会いの形は大きく変化してきています。SNSの浸透により、これまでに出会ったこともない人の情報が簡単に手に入り繋がることができます。それ自体、決して悪いことではありませんが、私はコミュニケーションを大切にし、お互いに顔が見える社会が必要だと考えます。

 簡単に人と出会える時代だからこそ、子供たちには他者との関わり方について、いま一度、考える機会が必要だと思います。文部科学省は「現代の子供の成長と徳育をめぐる今日的課題」として「現在の日本の若者・子供たちには、他者への思いやりの心」や「人間関係を形成する力」の低下について警鐘を鳴らしています。子供たち自身、学校やクラブ活動を通じて、日頃から他の人と触れ合う機会が多いのにもかかわらず、現在の日本の子供には他者への思いやりが低下しているのではないかと懸念されているわけです。

 子供たちは日本の財産です。将来を担う子供たちが仲間とともに一つの目的を達成す
ることで自己肯定感を育み他者への思いやりを学んでいける場を提供していかなければなりません。
 今年度私たちは、そのような場を提供するべく、新たなチャレンジを実践していきます。

思いやり溢れるグローバルな地域社会の構築

 2018年の訪日外国人旅行者数は3119万人でした。2013年には1036万人だったものが、わずか5年で約3倍に急増しています。また、日本の労働力人口の減少に歯止めがかからない中、国会では201862年12月に入管法が改正され、外国人労働者の受け入れ拡大に向けて大きく舵が切られました。この地域でも外国人労働者が年々増えています。旅行客だけでなく外国人労働者も含めて、様々な国で生まれ育った人々が日本へとやってくることになります。まさに、日本のグローバル化は一つの転換期を迎えています。そうした背景を見ると、この地域においてもグローバルな地域社会を目指していかなければなりません。

 日本青年会議所の綱領には、「国際的な責任を自覚し」や「明るい豊かな社会を築き上げよう」の一文が謳われています。新たなグローバル化のステージに入った日本、そして日本の首都である東京に位置するからこそ、立川青年会議所が先駆けて「明るい豊かな社会」の実現に向けて行動しなければなりません。
 現在私たちは、韓国の温陽青年会議所と48年間に亘る姉妹関係にあります。また、2019年にはモンゴルのキャピタル青年会議所とも姉妹締結をしました。私たちは、同じ志をもつパートナーとして異なる文化で生まれ育ったメンバーとの交流を通じて、グローバルな視点をもつ重要性を学んできました。これは、ダイバーシティという考え方にも通じるものです。この学びは、立川青年会議所の歴史とともに私たちに連綿と受け継がれています。そうして受け継がれてきたものを大切にして、日本にやってくる様々なバックグラウンドを持つ人々との交流を通じて、多様な価値観が許容されることに繋がり豊かな社会の実現へと近づきます。それには、そういった人々に対する思いやりが不可欠であり、それは立川青年会議所のメンバー間で共有するだけでは足りません。私たちが目指すのは思いやりのあるグローバルな地域社会の実現です。そのために、メンバー一人ひとりが歴史とともに培ってきた学びを大切にして、それを地域に還元する必要があります。
 そして誰もが、様々な文化に育った人々の気持ちをお互いに思いやり、認めることのできる地域社会を目指していきます。

持続可能なまちづくり

 今年開催される東京オリンピック・パラリンピックは、「SDGs五輪」と称されるほど、SDGs(世界が直面している17つの持続可能な開発目標に即した運営方針を立てています。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会がこの世界が直面している課題解決のモデルを国内外に示すと宣言していることを考えれば、立川青年会議所においても今までの経験をもとに、さらに発信を強化し、地域が人つなぎとなった運動展開が必要です。

 SDGsの目標は17項目と多岐に亘ります。立川青年会議所は2017年からSDGsの推進を継続して取り組んできました。今後は、SDGsを推進していくだけではなく17の目標達成に向けて、具体的な取り組みを企業や行政を巻き込んで行動していかなければなりません。
 2019年には、立川市、国立市、武蔵村山市とSDGs協同推進宣言を結びました。これに基づき行政と情報交換をしながら推進団体や企業の輪を広げて、能動的な人々を増やしていく必要があります。そのために、地域市民に浸透させるべく取り組みを支援し、2030年までにSDGsの目標達成を目指していきます。

成長し続ける組織

 青年会議所は、40 歳までの青年経済人の組織であり、かつ単年度制でリーダーが代わるという特徴を持っています。毎年リーダーが生まれることによって、常に新しい視点で地域を捉え続けることが、青年会議所の一つの強みです。 私たちは、ひとづくり、まちづくりの専門家ではありません。しかし、青年会議所には幅広く異業種のメンバーが集まっています。それぞれが固有の経験を活かし、独自の視点から、人やまちを見つめ直すことによって、それまで誰も気づかなかった新たな問題に気づくことができます。「当たり前」だと思われていたことに、新たな気付きが芽生え、一年という限られた時間の中で、情熱的に活動することができます。それが青年会議所運動の最大の特徴です。

 また、ここには各メンバーが成長する機会が多くあります。組織とは個の集合体であり、個の成長なくして組織の成長はありえません。日本青年会議所などへの出向や各地・都内外で開催される大会、様々な役職といった私たちの行っている運動すべての機会が人材育成プログラムとして用意されているといっても過言ではありません。

 青年会議所運動は、簡単なものではなく確かに労力を要するものです。しかし、一つの活動に対して新たな成長の機会と捉えるのか、自らの時間を取られる負担と捉えるかによって、同じ活動がメンバー個人の成長に与える影響は大きく異なります。与えられた機会を全力で自分のエネルギーにすることで、様々な困難に立ち向かえると私は信じています。
 メンバーには、どんな時も思いやりの心を持ち、誰一人取り残すことなく、最後まで諦めずに助け合う気持ちを持ってもらいたいと考えています。仕事やプライベートの両立が大変で辛いと思うこともあるかもしれませんが、しかし、それを楽しいと感じるプラスな思考をもって運動に取り組んでいけば、必ず自分自身の成長として返ってきます。
 それと同時に、地域の方や先輩方、仲間、家族に支えられているからこそ、私たちはこの活動ができるという感謝の気持ちを忘れてはなりません。

 一人ひとりがそのような感性を大切にするからこそ、表現力が高まり、クリエイティブな力が引き出され、結果として独創的な考えが生み出されます。
 青年会議所運動を理解し、できない理由を並べるのではなく、どうしたら実現できるのかを考えることで、成長し続ける JAYCEE になれるような組織を目指します。

JCの輪を広げよう

 近年、卒業生と退会者の数が、その年の新規加入メンバーの数を上回り続け、メンバー数は減少傾向にあります。その一つの大きな要因として、異業種交流の機会が数多く存在するようになったことが挙げられます。インターネットによる情報交換が盛んになったこともあり、一足飛びに異業種交流の場が設定されることも珍しくありません。そうしたある種の「効率的な」異業種交流の場に魅力を感じる一方で、友人の紹介を通じて少しずつ異業種交流の輪を広げていくような方法では、入り口としては魅力を感じる人が少なくなったのかもしれません。

 しかし、青年会議所には他にはない確固たる魅力があります。それは地域社会に貢献するという目的のために、各メンバーが時間を作り、限られた時間の中で互いに協力し合いながら、目的達成に向けて行動することで、地域の発展のみならず自分自身の成長にも繋がるということです。その過程には、様々な課題や困難がありますが、いかなる時も同じ志を持った者同士で乗り越えることにより、メンバーには強い絆が生まれるのです。これはビジネスでの繋がりでは感じ難い魅力であります。私たちは、この魅力をこれからメンバーになろうとする人たちに伝えていかなくてはなりません。

 また、青年会議所は青年経済人の集まりですが、メンバーがそれぞれの専門的な経験とそれに基づく独自の視点を持ち寄り、感性を大切にしていくことで、今までになかった創造的で多様な運動が生まれます。そして、メンバーが増えることは、既存のメンバーにとっても新たな価値観に触れる学びの機会だけでなく、より強い発信力に繋がります。立川青年会議所のメンバーの輪を広げていきましょう。

結びに

 本年の運動のテーマは「心」です。
 他人の「心」を思いやるのは難しいことです。まして、人の「心」を動かすというのは容易ではありません。それでも、ゆるぎない志と情熱を持った地道な努力を積み重ねれば、他人の「心」を動かすことができるはずです。
 「感」性を大切にして運動し、「思」いやり溢れる社会の構築を目指す、「志」の高いJAYCEEにメンバー一丸となって取り組んでいきます。

公益社団法人立川青年会議所

<立川JC事務局>
TEL:042-527-1001(代)
※月~金10:00~17:00(祝祭日、年末年始を除く)
FAX:042-527-6600
〒190-0012
東京都立川市曙町2-38-5 立川ビジネスセンタービル12F